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国土交通白書 2020

第4節 健全な水循環の維持又は回復

コラム 下水道での紙オムツ受入に向けた取組みについて

 人口減少や少子高齢化の進行などが社会問題となっている昨今、高齢者の介護において使用済み紙オムツの保管・処理・処分が大きな負担となっている一方で、少子化の改善に資する子育てしやすい環境づくりも求められている。下水道分野においても、人(執行体制脆弱化)・モノ(施設老朽化)・カネ(使用量収入減少)という経営資源を取り巻く環境が厳しさを増しており、より効果的・効率的な下水道事業を展開していくため、社会インフラとしての新たな使命や住民の利便性向上といった下水道の付加価値向上も必要となっている。これらの課題解決策のひとつとして、使用済み紙オムツの下水道受入を検討することで、介護・育児の負担軽減や健康的な生活確保への貢献を目指している。

紙オムツ処理装置

 国土交通省では、地域特性や下水道施設の状況を踏まえ、制度的・技術的な検討を進めており、令和元年度末までにAタイプ及びBaタイプの処理装置の技術的な検討を行った。令和2年度からは、Aタイプの装置を実際に現場に設置して、下水道、廃棄物、福祉等の各分野への影響を把握するために、社会実験を実施することとしている。

水道での紙オムツ受入に向けて