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国土交通白書 2021

第5節 地球温暖化の進行

■4 地球温暖化の影響

 近年、気温の上昇や大雨の頻度増加など、気候変動が世界及び各地域で進行しており、今後更に進行することが懸念されている。我が国においても、日本の平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、長期的には100年あたり1.26℃の割合で上昇、第2章第2節のとおり、1時間降雨量50mm以上の短時間強雨の発生は直近30~40年間で約1.4倍に拡大した。

 パリ協定の目標である気温上昇2℃以内が達成された場合でも、21世紀末時点において年平均気温は約1.4℃上昇注13し、多くの地域で猛暑日や熱帯夜の日数の増加、大雨及び短時間強雨の発生頻度の増加(1時間降水量50mm以上注14の頻度約1.6倍)、日本沿岸の海面水位が約0.39m上昇等の影響があると予測されている注15。このような気候変動により、国民の健康や我が国の災害にも大きな影響を及ぼすと考えられる。

 自然災害からの安全・安心を確保するため、また、我が国の経済成長の機会としても、地球温暖化対策を強力に推進する必要がある。

  1. 注13 2℃上昇シナリオ(RCP2.6)の場合、21世紀末(2076~2095 年の平均)における日本の年平均気温は、20世紀末(1980~1999年の平均)と比べて上昇。(確信度が高い)。
  2. 注14 非常に激しい雨(滝のように降る)。傘は役に立たず、水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなるような雨の降り方。
  3. 注15 日本の気候変動2020(文部科学省、気象庁)より