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国土交通白書 2021

第2節 自然災害対策

コラム 『津波フラッグ』による津波警報等の伝達

 気象庁が発表する大津波警報、津波警報、津波注意報(以下、「津波警報等」という)は、テレビやラジオ、携帯電話、サイレン等様々な手段で伝達されます。一方で、海水浴場等においては、聴覚による伝達手段と比較して視覚による伝達手段の導入が進んでおらず、聴覚障害者や遊泳中の方への情報伝達が課題となっていました。このため、気象庁では、令和元年度に「津波警報等の視覚による伝達のあり方検討会」を開催し、視覚による伝達手段について検討を行った結果、津波警報等の伝達には「赤と白の格子模様」の旗を用いることが望ましいとされました。本検討会の提言を受け、気象庁では2年6月に、「赤と白の格子模様の旗」を津波警報等の伝達手段として定めるとともに、この旗を「津波フラッグ」と呼び、関係機関とも連携して、全国的な周知・普及を図っています。

津波フラッグ
津波フラッグ

 津波フラッグは遠方からでも視認性が高く、その色彩(国際信号旗の「U旗」と同様の色彩)は国際的にも認知されています。このため、津波フラッグを用いることで、聴覚障害者や波音や風で音が聞き取りにくい遊泳中の人はもちろんのこと、外国人にも津波警報等を伝達できるようになります。

 津波フラッグは、海岸や津波避難ビル等においてライフセーバー等により掲出されます。また、海岸近くの建物から垂れ下げることにより掲出される場合もあります。海水浴場や海岸付近で津波フラッグを見かけたら、速やかに避難を開始してください。

 気象庁では、より多くの海水浴場等で津波フラッグが活用されるよう、また、より多くの方々に津波フラッグを覚えていただけるよう、引き続き取り組んでまいります。

左:津波避難タワーでライフセーバーが津波フラッグを掲出している様子
右:津波フラッグを建物から垂れ下げている様子(唐津海上保安部提供)