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国土交通白書 2021

第5節 危機管理・安全保障対策

■4 安全保障と国民の生命・財産の保護

( 1 )北朝鮮問題への対応

 我が国では、平成18年7月の北朝鮮による弾道ミサイル発射及び同年10月の北朝鮮による核実験実施を受け、同月、「特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法」に基づき、全ての北朝鮮籍船舶の入港禁止措置を実施した。また、28年には、北朝鮮による累次の挑発行動を受け、北朝鮮の港に寄港したことが我が国の法令に基づく手続き等により確認された第三国籍船舶及び日本籍船舶並びに国際連合安全保障理事会の決定等に基づき制裁措置の対象とされた船舶が入港禁止措置の対象として追加されている。国土交通省・海上保安庁では、本措置の確実な実施を図るため、これら船舶の入港に関する情報の確認等を実施しているほか、関係行政機関と緊密に連携し、「国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号等を踏まえ我が国が実施する貨物検査等に関する特別措置法」に基づく対北朝鮮輸出入禁止措置の実効性確保に努めている。

 国土交通省・海上保安庁及び気象庁では、累次の北朝鮮関係事案の発生を踏まえ、関係省庁との密接な連携の下、即応体制の強化、北朝鮮に対する監視・警戒態勢の継続をしているところであり、弾道ミサイル発射事案や核実験においても、関係する情報の収集や必要な情報の提供を行うなど、国民の安全・安心の確保に努めている。特に、北朝鮮の弾道ミサイルが我が国周辺に発射された場合などには、我が国周辺の航空機や船舶に対して直接、又は、事業者などを通じて迅速に情報を伝達し、注意を促すこととしている。

( 2 )国民保護計画による武力攻撃事態等への対応

 武力攻撃事態等における避難、救援、被害最小化の措置等について定めた「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」及び「国民の保護に関する基本指針」を受け、国土交通省・観光庁、国土地理院、気象庁及び海上保安庁において「国民の保護に関する計画」を定めている。国土交通省・観光庁では、地方公共団体等の要請に応じ、避難住民の運送等について運送事業者である指定公共機関との連絡調整等の支援等を実施すること、国土地理院では、地理空間情報を活用した被災状況や避難施設等に関する情報を関係省庁等と連携して国民に提供すること、気象庁では、気象情報等について関係省庁等と連携して国民に提供すること、海上保安庁では、警報及び避難措置の実施の伝達、避難住民の誘導等必要な措置を実施すること等を定めている。