国土交通白書 2021

コラム 国連ベクトルタイルツールキットとは？～世界とともに地図をつくる～

　国土地理院は、国連や世界の地理空間情報当局をはじめとする多様なパートナーとともに、デジタル時代にふさわしいウェブ地図技術の能力構築を進めています。

　国土地理院は我が国の地理空間情報当局として、インターネットに地図を刊行するウェブ地図「地理院地図」や、世界の地理空間情報当局とともにデジタル地図の管理能力の構築を進める「地球地図」で、世界的にも先進的な実績をあげてきました。

　これらの実績に基づき、平成29年以降、国連地理空間情報課に国土地理院職員を派遣し、国連と世界のウェブ地図に関する能力構築を進めています。

　能力構築に用いるソフトウェアは、国連オープンGISイニシアティブのもと、自由で開かれた地理空間ソフトウェア（FOSS4G）である国連ベクトルタイルツールキット（UNVT）として公表し、多様なステークホルダーによる実践コミュニティが形成されています。

　UNVTは、国連平和維持活動や人道支援を後方支援する国連グローバルサービスセンターへの配備が進められているほか、国土地理院の「地理院地図Vector」にも採用されています。また、さらなる幅広い能力構築のために、超小型PCへの実装も進められています。

　今後もUNVTは、日本政府のSDGsアクションプラン2021に基づき、国連イニシアティブや地方公共団体との連携、産学官連携を含む国内外のパートナーシップを通じて、防災を含む多分野での地理空間情報の利活用を推進していきます。