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国土交通白書 2021

第1節 ICTの利活用による国土交通分野のイノベーションの推進

■4 電子政府の実現

 「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」等に基づき、電子政府の実現に向けた取組みを行っている。特に、国・地方を通じた行政全体のデジタル化により、国民・事業者の利便性向上を図る施策については、「デジタル・ガバメント実行計画」(令和2年12月25日閣議決定)を踏まえ、政府全体で取組みを進めており、国土交通省においても「国土交通省デジタル・ガバメント中長期計画」(令和2年3月)に基づき、取組みを積極的に推進している。

 また、「規制改革実施計画」(令和2年7月閣議決定)において、新型コロナウイルス感染症の危機を経て明らかになった課題への対応という観点から、行政手続における書面規制・押印、対面規制の抜本的な見直しを行い、原則として全ての手続について、必要な法令等の改正やオンライン化を行うこととされており、国土交通省所管手続についてもこれに基づき速やかに対応を進めているところである。

 自動車保有関係手続に関しては、検査・登録、保管場所証明、自動車諸税の納付等の諸手続をオンラインで一括して行うことができる“ワンストップサービス(OSS)”を平成17年から新車の新規登録を対象として、関係省庁と連携して開始し、以後、対象地域や対象手続の拡大を進めてきた。

 OSSの利用は、新車新規登録手続について令和元年度で123.5万件(46.6%)、継続検査について令和元年度で518.8万件(33%)となっている。平成30年度から新車新規登録手続については5.8%、継続検査については16.3%利用率が伸びており、利用が拡大しているものの、中間登録についてはほとんど利用されておらず更なる利用促進策を講じることが必要となっている。

 令和2年12月4日に「オンライン利用率引上げの基本計画」を策定し、新規登録手続、中間登録手続のOSS利用率引上げのための目標及びオンライン利用率引き上げに係る課題とその解決に向けたアクションプランを決定した。アクションプランに基づき、令和2年度は、マイナンバーカードを活用したOSS申請の優良事例の横展開に向けた調査などに取り組んだ。

 また、継続検査については、OSSで手続を行った場合であっても、自動車検査証の受取のための運輸支局等への来訪が必要となっていることが、OSSの更なる利用促進に向けた課題の一つである。これを解消するため、令和元年5月に「道路運送車両法」を改正し、自動車検査証を電子化するとともに、自動車検査証への記録等の事務を国から委託する制度を創設したところである。現在、電子化された自動車検査証を5年1月に確実かつ円滑に導入すべく準備を進めている。