
国土交通白書 2021
第3節 建設マネジメント(管理)技術の向上
■2 BIM/CIMの取組み
BIM/CIM(Building/ Construction Information Modeling, Management)は、調査・計画・設計段階から施工、維持管理の建設生産・管理システムの各段階において、3次元モデルを連携・発展させ、あわせて事業全体に携わる関係者間で情報を共有することで、生産性向上とともに品質確保・向上を目的とするものである。平成24年度からBIM/CIM活用業務・工事の試行を始め、令和3年3月までに累計1,506件を実施し、活用を拡大している。5年度までに小規模を除く全ての公共工事においてBIM/CIM活用へ転換することを目指す。
令和2年度には、BIM/CIMモデルを作成するという視点から、事業の各段階においてBIM/CIMを効果的に活用するという視点で既存基準要領等を見直すとともに、3次元モデル成果物の作成方法を明確化し、新規要領の策定を行った。また、BIM/CIMを扱うことのできる技術者を育成するための研修プログラムやテキストの作成を行い、今後更なるBIM/CIMの活用拡大を図っていく。
官庁営繕事業においては、平成22~24年度にBIM導入の試行を行い、この結果等を踏まえ、26年3月に「官庁営繕事業におけるBIMモデルの作成及び利用に関するガイドライン」を作成した。30年8月には施工段階のBIM活用事例を追加するなどの改訂を行い、30年以降は発注者指定によるBIMの試行を実施するなど、更なるBIM活用を図っている。
また、官民一体となってBIMの推進を図る「建築BIM推進会議」(事務局:国土交通省)を令和元年6月に設置し、BIMを活用した建築生産等の将来像と、その実現に係る工程表をとりまとめた。