国土交通省ロゴ

国土交通白書 2022

第1節 わたしたちの暮らしの脱炭素化に向けた取組みの課題と方向性

コラム 日本初の「LCCM賃貸集合住宅」

 2021年、LCCMの基準を満たす賃貸集合住宅として日本初となる「LCCM賃貸集合住宅」が埼玉県草加市に完成した。「LCCM賃貸集合住宅」は、建物のライフサイクルにおける二酸化炭素排出量がマイナスになる集合住宅であり、賃貸集合住宅におけるLCCM普及を目指す大東建託株式会社により開発・建設されたものである。

 同社では、これまで、ZEH賃貸集合住宅の普及に加え、LCCM賃貸集合住宅の開発に取り組むこととし、ライフサイクルアセスメント等の研究を蓄積するとともに、高気密・高断熱など省エネルギーや太陽光発電システムなど創エネルギーに加え、材料の生産方法の工夫などにより、集合住宅で達成が難しいとされていたLCCMの開発・社会実装に取り組んでいる。具体的には、建築資材である製材の乾燥に再生可能エネルギーを利用することで、建物製造時の二酸化炭素排出量を削減させたとともに、断熱性能の強化による省エネ性能の向上に加え、屋根の形状の工夫により、太陽光パネルの搭載容量を最大限まで増やすことで建物の発電効率の向上を図っている。

 今後、「LCCM賃貸集合住宅」の普及に積極的に取り組むとともに、2050年までに同社の賃貸集合住宅の居住時に排出される二酸化炭素排出ゼロの実現を目指している。

<LCCM賃貸集合住宅(埼玉県草加市)>
LCCM賃貸集合住宅(埼玉県草加市)

資料)大東建託株式会社