
国土交通白書 2022
第11節 デジタル化による高度化・効率化
■1 国土交通行政のDX
社会全体のデジタル化は喫緊の課題であり、政府として、デジタル庁の創設やデジタル田園都市国家構想といった政策が進められているところ、国土交通省においても必要な取組を、より一層加速させる必要がある。このため、国土交通行政のDXを推進すべく、全省的な推進組織として、令和3年12月に「国土交通省DX推進本部」を設置した。DXを推進する羅針盤となる、長期的な視点にたったビジョンを策定し、所管分野における業務、ビジネスモデルや国土交通省の文化・風土の変革、行政庁としての生産性向上に取り組む。
インフラ分野においては、公共工事の現場で非接触・リモート型の働き方への転換を図るなど、感染症リスクに対しても強靱な経済構造の構築を加速することが喫緊の課題となっている。このため、デジタル技術を活用して、管理者側の働き方やユーザーに提供するサービス・手続きなども含めて、インフラまわりをスマートにし従来の「常識」を変革する、「インフラ分野のDX」を推進しており、例えば、3Dハザードマップを活用したリアルに認識できるリスク情報の提供、現場にいなくても現場管理が可能になるリモートでの立会による監督検査やデジタルデータを活用した鉄筋検査の試行、および無人化施工・自動化施工等に取り組んでいる。また、令和3年度末には施策ごとの今後の具体的な工程や「実現できる事項」を示したアクションプランを策定した。令和4年はアクションプランの具体的な工程に基づき、DXによる変革に果敢に取り組む「挑戦の年」として一層取り組みを加速化させる。