
国土交通白書 2022
第3節 良好な景観形成等美しい国づくり
(1)我が国固有の文化的資産の保存・活用等に資する国営公園等の整備
我が国固有の優れた文化的資産の保存及び活用等を図るため、国営公園等(22箇所)の整備及び維持管理を行っている。令和3年度には、国営飛鳥・平城宮跡歴史公園平城宮跡区域の大極門の整備を完了し、また、首里城正殿の復元に向けた技術的な検討等を実施した。
(2)古都における歴史的風土の保存
京都市、奈良市、鎌倉市等の古都においては、「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(古都保存法)」に基づき、建築物等の新・増・改築、宅地の造成等行為の制限を行うとともに、土地の買入れなどの古都保存事業や普及啓発活動等を実施することにより、歴史的風土の保存を図っている。
(3)歴史的な公共建造物等の保存・活用
地域のまちづくりに寄与するために、長く地域に親しまれてきた歴史的な官庁施設の保存・活用を推進している。歴史的砂防関係施設(令和3年3月31日現在、重要文化財3件、登録有形文化財204件)については、土砂災害を防止する施設及びその周辺環境一帯を地域の観光資源として位置付け、環境整備を行うなどの取組みを推進している。

資料)広島県
(4)歴史文化を活かしたまちづくりの推進
地域の歴史や伝統文化を活かしたまちづくりを推進するため、「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(歴史まちづくり法)」に基づき、87市町(令和4年3月31日現在)の歴史的風致維持向上計画を認定し、計画に基づく取組みを支援している。また、良好な景観や歴史的風致の形成を推進するため、景観・歴史資源となる建造物の改修等の支援を行った。

荒川流域の歴史的治水・砂防施設を巡る観光・交流イベントを推進(福島県福島市)
(5)ミズベリング・プロジェクトの推進
「ミズベリング」とは、市民や民間企業の水辺への関心を高め、水辺に新たな価値を見いだし、主体的に新しい活用の可能性を創造していく取組みである。
ミズベリングの普及に向けた取組みは全国で実施され、各地に浸透しつつあるが、より地域に根差した活発な活動としていくため、各地で人材育成や体制づくりを支援したり、水辺の利活用と防災・減災対策との連携を進めるなど、水辺とまちの未来の形を創造するための、さらなる一歩を踏み出すことが期待されている。

【関連リンク】
ミズベリング URL:https://mizbering.jp/
(6)グリーンインフラの推進
社会資本整備や士地利用等のハード・ソフト両面において、 自然環境が有する多様な機能を活用し、 持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくりを進める「グリーンインフラ」 の社会実装を推進している。令和3年度は、 グリーンインフラの導入を目指す地域を対象に技術的•財政的支援を実施するとともに、 グリーンインフラ官民連携プラットフォームの活動を通じて、 グリーンインフラの社会的な普及等に取り組んでいる。
【関連リンク】
グリーンインフラ官民連携プラットフォーム URL:https://gi-platform.com/