
国土交通白書 2023
第1節 直面する課題とデジタル化の役割
コラム 3D都市モデルを活用した壁面太陽光発電ポテンシャルの推計(PLATEAU、国土交通省)
現在、カーボンニュートラルの実現に向けて、太陽光発電パネルの設置が進められている。都市部では、太陽光発電パネルの屋上設置スペースが限定的な建物が多いため、建物の外壁で発電するパネルが有効であると考えられている一方、壁面の日射量や発電量を推計する方法が確立されていないなどの課題があった。
これらの課題に対して、国土交通省では横浜市と連携して、オープンデータとして提供している「3D都市モデル」を気象データ等と組み合わせることで、建物の影の影響が大きい都市部の建物壁面などの発電ポテンシャルを推計する実証事業を実施している。具体的には、参画する民間企業とともに、実際の壁面発電ポテンシャル推計を行うためのアルゴリズムの検討・開発や測定した同推計精度の検証などに取り組んでいる。
今後、国土交通省は、この実証事業で得られた発電ポテンシャルの推計結果等を、自治体や再生可能エネルギー事業者、太陽光発電の研究機関などと共有し、脱炭素推進の施策や面的なエネルギー計画の基礎データとして利用することを目指している。
<建物壁面の太陽光発電ポテンシャルの可視化>

資料)国土交通省