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国土交通白書 2023

第2節 地域活性化を支える施策の推進

コラム JR只見線 豪雨災害からの全線運転再開

 平成23年7月新潟・福島豪雨により大きな被害を受け、長らく不通となっていたJR只見線の只見駅~会津川口駅の復旧工事が完了し、令和4年10月1日に全線での運転が再開されました。只見駅~会津川口駅は、被災前から利用状況が非常に厳しく、バスへの転換も含めて復旧のあり方が検討されましたが、地域の振興のためには只見線が必要不可欠であるとの沿線自治体の強い意思を踏まえ、平成29年6月、福島県とJR東日本は運行と鉄道施設等の保有を分離する上下分離方式を導入し、鉄道により復旧することで合意しました。

 また、平成30年7月には議員立法により鉄道軌道整備法が改正され、黒字事業者の赤字路線も国の災害復旧補助の対象に追加され、全国で初めて只見線に適用されました。

 只見線の復旧に向けた取組みは、鉄道事業者と沿線自治体が協働し、将来のまちづくりや観光振興など大きなビジョンの中で、鉄道の役割や意義、活用方策について丁寧な検討を行った上で、関係者が適切に役割分担をしながら地域の公共交通の再構築を図る先駆的な事例と言えます。

第5只見川橋りょう(左:被災直後、右:復旧後)

第5只見川橋りょう(左:被災直後、右:復旧後)

只見線の列車

只見線の列車