
国土交通白書 2023
第2節 循環型社会の形成促進
■3 自動車・船舶のリサイクル
(1)自動車のリサイクル
「使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)」に基づき、使用済自動車が適切にリサイクルされたことを確認する制度を導入している。また、「道路運送車両法」の抹消登録を行う際、自動車重量税還付制度も併せて実施し、使用済自動車の適正処理の促進及び不法投棄の防止を図っている。なお、令和3年度において、自動車リサイクル法に基づき解体が確認され、永久抹消登録及び解体届出がなされた自動車は1,220,399台である。
(2)船舶のリサイクル
船舶の再資源化解体(シップ・リサイクル)注4は、インド、バングラデシュ等の開発途上国を中心に実施されており、労働災害と環境汚染等が問題視されてきた。この問題を国際的に解決するため、我が国は世界有数の海運・造船国として国際海事機関(IMO)における議論及び条約起草作業を主導し、「2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再資源化のための香港国際条約」(シップ・リサイクル条約)が採択された。
同条約の発効要件は、①15か国以上が締結、②締約国の商船船腹量の合計が40%以上、③締約国の直近10年における最大年間解体船腹量の合計が締約国の商船船腹量の3%以上であるところ、我が国は、平成31年3月に同条約を締結し、各国に対して同条約の早期締結に向けて働きかけを行ってきており、令和5年3月末時点の発効要件の充足状況はそれぞれ①20か国、②30.7%、③2.4%注5となっている。
- 注4 寿命に達した船舶は、解体され、その大部分は鋼材として再活用される。
- 注5 令和3年の世界の商船船腹量の40%を締約国の商船船腹量と仮定して試算。