国土交通白書 2025
第1節 国土交通分野における施策の新展開の萌芽
コラム 住民の協力による水道検針(足利市)
水道料金を算出する際に必要なメーターの検針作業について、一部の地域では高齢化や人口減少等による検針員不足が懸念されている。
栃木県足利市では、同市が委託している水道メーターの検針員28名の平均年齢が約65歳であり、今後、新たな検針員が必要とされているが、担い手の確保が進まず、安定した検針業務の継続が困難になることが想定されている。将来的にはスマートメーターの導入を検討しているが、普及までに費用と時間がかかるため、まずは検針員不足を補いながら、検針業務を安定的に継続させる対策が必要であった。
そのような中で、同市は、市民の協力を得た形での行政サービスを行う方法として、水道利用者である市民が自宅の水道メーターを撮影し、検針業務を代行する仕組みの構築を目指した実証実験を行った。
実証実験は、専用アプリ「足利市My水アプリ」が使用されており、同市の職員や検針員、市民の中から計75名がアプリのモニターとなり、2024年3月から実施された。モニターが、スマートフォン等からアプリを起動し、水道メーターを撮影、写真をアップロードすることで検針が完了する。操作自体は2~3分で終了し、従来のように検針員が直接訪問して検針する手間が省ける。
同市では、2025年3月まで実証実験を実施しており、システムの安定的な稼働が確認できたため、2025年6月から、市内全域の希望者を対象に導入を開始していく。
アプリのインストールや利用者登録、検針写真のアップロード等、市民側に負担がかかるが、担い手不足の中で、市民と協力した取組の工夫として、横展開が期待されている。
<市民が水道メーターを撮る様子>
<アプリ画面>
資料)足利市