国土交通白書 2025
第1節 インフラシステム海外展開の促進
①東アジア・大洋州
香港については、令和6年7月に、ラム・サイホン運輸・物流長官による國場国土交通副大臣表敬が実施され、観光・航空の交流や、国際海上輸送の発展に向けた取組について意見交換を行った。
中国、韓国については、令和6年9月に、兵庫県において第10回日中韓観光大臣会合を開催し、三国間の観光交流と協力の一層の強化、三国間の人的交流の拡大、地域経済の繁栄と社会発展の促進等を目的として議論を行った。
韓国については、令和7年3月に、東京において、第13回日韓ハイレベル協議を開催し、運輸分野に関する共通課題について幅広い意見交換を行った。
大洋州については、令和6年7月に、斉藤国土交通大臣とテヴィタ・スカ・マンギシ駐日トンガ王国特命全権大使は、上下水道技術協力に関する協力覚書を締結した。
11月には、宮城県において、観光レジリエンスサミットが開催されフィジーとの会談を実施し、秡川観光庁長官とフィジー共和国ヴィリアメ・ンガヴォカ副首相兼観光・航空大臣は、観光分野に係る協力についての覚書を締結した。
②ASEAN地域
(ア)インドネシア
令和6年4月、ジャカルタ都市高速鉄道(MRT) 南北線のE&M(信号システム等)パッケージに関し、本邦企業が事業主体と契約を締結し、工事を受注した。同月、斉藤国土交通大臣は訪日したブディ運輸大臣と会談を行い、国土交通分野における日・インドネシア間の重要なインフラ案件への協力について意見交換を行った。
6年9月に、斉藤国土交通大臣は訪日したバスキ公共事業・国民住宅大臣と会談を行い、アジア・太平洋水サミットの開催や、「ワールド・レイク・デー」の実現に向けた協力等について意見交換を行った。
6年12月、パティンバン港のコンテナターミナル運営に関し、日系コンソーシアムが同港の運営会社と契約を締結した。6年12月、ジャカルタにおいて、MaaS、AIオンデマンド交通等の交通ソフトインフラによる公共交通の高度化をテーマとした「日尼交通ソフトインフラ展開セミナー」を開催した。
7年2月、北海道・札幌において「第12回日インドネシア交通次官級会合」を開催し、交通分野の協力インフラ案件について、課題に対する解決策や今後の協力の方向性等の意見交換を行い、今後も各分野において両国間で緊密な協力・連携を図っていくことを確認した。
同月に、ジャカルタにおいて「第11回日インドネシア建設次官級会合」を開催し、両国において「持続可能な都市開発」、「持続可能で気候変動に強いインフラ整備」をテーマに、両国の取組の現状、課題及び今後の計画等を共有するとともに、今後の両国の協力関係を強化していくことを確認した。
(イ)カンボジア
令和6年5月に、スン・チャントール副首相兼カンボジア開発評議会第一副議長による斉藤国土交通大臣表敬が実施され、港湾、道路等の経済社会インフラの整備等に関する協力について意見交換を行った。
12月には、第5回日カンボジア都市開発・不動産開発プラットフォーム会合をプノンペンで開催した。また、サイ・サムオル副首相兼国土整備・都市計画・建設大臣との会談を行い、都市開発・不動産開発分野等における課題解決に協力していくことを確認した。加えて、3D都市モデルPLATEAUの整備に関する協力関係につき確認の署名を行うとともに、両国民間企業によるビジネスマッチングも開催され、各社が有するサービスや強みを双方にアピールした。会談の他に、日本政府の資金も活用してプノンペン南西部に新たに整備されたボントム浄水場の完成記念式典に出席した。
(ウ)シンガポール
令和6年4月、斉藤国土交通大臣がシンガポールを訪問し、チー運輸大臣とワーキングランチを行い、国土交通分野における両国間の協力に関する意見交換を行った。またコー持続可能性・環境省上級国務大臣との会談では、気候変動に伴う水資源分野や気象分野への影響に関する意見交換とともに、具体的な連携について確認した。さらにオン公益事業庁長官(CE)との会談では、シンガポール政府が取り組む水分野等に関する施策について説明を受け、今後の両国の関係を確認した。
令和6年9月、堂故国土交通副大臣がシンガポールを訪問し、ムラリ・ピレイ運輸省国務大臣と会談を行い、我が国とシンガポールとの間で港湾インフラ等に関する協力について意見交換を行った。
(エ)タイ
令和7年2月に、チャルームチャイ天然資源・環境大臣による高橋国土交通副大臣表敬が実施され、水管理及び地下水等の開発に関する取組について意見交換を行った。
(オ)フィリピン
令和6年12月、「第3回道路建設・O&Mに関するビジネスワークショップ」を開催し本邦道路技術等を共有するとともに、高速道路会社を含む両国民間企業のビジネスマッチングの促進を図った。
(カ)ベトナム
令和6年4月に、中央理論評議会タン副議長による堂故副大臣表敬が実施され、都市をはじめインフラ分野での協力に関する意見交換を行った。
同月に、斉藤国土交通大臣がベトナムを訪問し、タン交通運輸大臣との会談を実施し、交通分野における協力について意見交換するとともに、我が国企業が参画を目指す事業に関するトップセールスや、鉄道、道路等、我が国企業が参画している既存事業の未払いや手続遅延に関するトップクレーム等の政策協議を行った。また、国土交通省とベトナム社会主義共和国交通運輸省との間で「交通分野における包括的な協力覚書」を締結し、両国の国土交通分野における一層の協力を確認した。
9月には、堂故国土交通副大臣がベトナムを訪問し、サン交通運輸副大臣との会談を実施し、ベトナムにおける今後の港湾分野をはじめとした社会インフラ等に関する協力等について意見交換を行った。また、港湾施設の国家技術基準を策定するための協力に係る両国間の覚書を更新した。
11月には、国土交通省とベトナム農業農村開発省間の水防災等の協力覚書に基づく防災協働対話を官民協働で開催し、二国間協力の取組を継続することを確認した。
12月には、我が国企業が参画するホーチミン市都市鉄道1号線が開業した。また、令和7年3月には古川国土交通副大臣がベトナムを訪問し、当該路線のグランドオープニングセレモニーに出席した。
(キ)マレーシア
令和6年4月に、國場国土交通副大臣は訪日したアレキサンダー公共事業大臣と会談を行い、日本とマレーシアの建設分野における両国間の協力について意見交換を行った。
(ク)ミャンマー
ミャンマー国内で日本企業により実施されていた建設等のプロジェクトについて、現下の情勢を踏まえ、引き続き今後の事態の推移を注視し対応を検討していく。
(ケ)東ティモール
令和7年1月に、中野国土交通大臣は訪日したロザリオ職業訓練雇用担当国務長官と会談を行い、技能実習生や特定技能外国人の受入れ等に関する意見交換を行った。
③南アジア
(ア)インド
令和6年2月、スマートシティ分野での協力を更に深めていくため、「都市開発に関する日印交流会議」の下に設置した「スマートシティサブグループ会合」において、日印の官民で連携した枠組み(プラットフォーム)の設立に合意した。この合意に基づき、プラットフォームの設立に向けた調整を進めた。
令和6年10月に「第10回日印道路交流会議」を開催し、道路計画、橋梁の地震対策、道路舗装維持管理等について両国の知見を共有するとともに、同月にムンバイにて「日印道路技術セミナー」を初めて開催し、海上道路建設・維持管理をテーマに意見交換等を実施した。
令和7年3月、「インフラメンテナンス国民会議 海外市場展開フォーラム」の活動の一環として、インフラメンテナンスの海外市場展開セミナーをインド国政府、民間企業と対面及びオンライン併用のハイブリッド形式で開催し、インド国のニーズに合わせた日本企業保有技術を紹介し、日本企業のインドにおけるインフラメンテナンス事業への参画・協同に向けたネットワーク構築を支援した。
また、令和6年11月に国土交通省水管理・国土保全局とインド水活力省水資源・河川開発・ガンガー再生局との水資源分野における協力に関する覚書を延長するとともに、地下水管理等について意見交換を実施した。
(イ)バングラデシュ
PPP庁との覚書に基づき日本バングラデシュ・ジョイントPPPプラットフォームを構築し、政府間協力の下でバングラデシュ側の関係省庁と我が国関心企業による各種プロジェクトの案件形成を支援している。
令和7年3月に「第7回PPPプラットフォーム会合」を東京にて開催し、既存プロジェクトの課題等について議論した。また、バングラデシュ側からの新規プロジェクトが提案されるとともに、今後候補となるプロジェクトについて合意した。
④北米・欧州
(ア)米国
令和6年4月、G7交通大臣会合に際し、斉藤国土交通大臣がトロッテンバーグ運輸副長官と会談し、今後の緊密な協力関係の強化を確認した。
令和7年3月、ワシントンD.C.において日米インフラフォーラムを開催し、国土交通省、米国国土安全保障省から、インフラ分野におけるサイバーセキュリティに関する取組が紹介された。
(イ)欧州
令和6年4月、G7交通大臣会合に際し、斉藤国土交通大臣がイタリアのサルヴィーニ副首相兼インフラ交通大臣と会談し、今後の緊密な協力関係の強化を確認した。
令和6年10月、第18回日EU運輸ハイレベル協議をブリュッセルにて開催し、交通分野における相互理解及び協力の促進を図るため、意見交換を行った。
ウクライナ復興に関しては、令和6年2月に、ウクライナ地方・国土・インフラ発展省(現ウクライナ地方・国土発展省)との間で、インフラ復旧と復興の促進に向けた協力覚書を締結した。この覚書には、協力内容として道路輸送、航空輸送、海上輸送、ダム等の分野における案件形成等が含まれている。同年12月にはスヴィリデンコ第一副首相兼経済大臣による中野国土交通大臣の表敬訪問が実施され、ウクライナのインフラの復旧・復興に関して、双方が一層協力していくことで一致した。令和7年1月には、ウクライナにおける国土交通分野のインフラ復興への本邦企業の参画を促すため「日ウクライナ・国土交通インフラ復興に関する官民協議会」(JUPITeR)の設立会合を開催し、中野国土交通大臣から豊富な技術・知見を持つ日本企業に対して参画の期待を述べたほか、クレーバ復興担当副首相兼地方・国土発展大臣が来賓としてオンライン参加し、協議会及び日本企業への期待が述べられた。
令和7年3月、同協議会の取組として、官民ミッションをキーウへ派遣し、インフラ復興の主務官庁である地方・国土発展省をはじめ、国際開発金融機関や現地の業界団体等を訪問し、意見交換や企業間のネットワーキング等を行った。
⑤中南米
令和2年9月に、国土交通省海事局は、Web形式の局長級会合を通じ、パナマ運河庁に対し、水不足に起因する運河の水位低下による船舶通航量の調整を目的とした上水サーチャージ導入経緯の説明を求めるとともに、今後我が国がどのような協力ができるか検討する旨伝えた。このような背景から3年度より、「パナマ運河の水不足問題の解消に向けた調査」を開始し、5年度においては、パナマ運河庁で作成されている水不足対策案の妥当性評価及び代替案の作成等を実施した。
令和6年6月、ホンジュラス共和国のエクトル・セラヤ大洋間鉄道建設国家委員会委員長による斉藤国土交通大臣への表敬が実施され、インフラ事業について意見交換等を行った。
⑥トルコ
トルコとの間では、両国の建設関連企業が連携した第三国への海外インフラ展開を推進するため、令和6年10月にトルコ貿易省と共同で「第7回日本・トルコ建設産業会議」をトルコ・イスタンブールにて開催した。会議においては、第三国における建設分野に関する協力覚書への署名を行い、ウクライナ復興及びアフリカ市場に関する情報交換を実施するとともに、両国の民間企業を交えたビジネスマッチングを実施した。
⑦アフリカ
第6回アフリカ開発会議(TICADⅥ)に合わせて平成28年8月に開催した「日・アフリカ官民インフラ会議」を契機として設立した「アフリカ・インフラ協議会(JAIDA)」と連携し、アフリカにおける「質の高いインフラ投資」を推進するため、我が国の「質の高いインフラ」を支える技術や経験等について積極的に情報発信するとともに、相手国との官民双方の関係構築を促進している。
令和6年度までにアフリカ14か国において「官民インフラ会議」(閣僚級)を開催してきたのに加え、これまでに官民インフラ会議を開催した国との関係を継続・発展させることを目的とした、「質の高いインフラ対話」を開催しているほか、近年は、実務者レベルのミッションを派遣した現地調査や政府関係者との面談や国際機関の専門家を招いたJAIDA会員向けセミナーの実施等、小規模・機動的な活動を強化している。
令和6年10月にはタンザニアで「日・タンザニア質の高いインフラ対話」を開催し、タンザニア側から同国のインフラ概況の説明や我が国への期待が述べられ、我が国からは「質の高いインフラ」のコンセプトを紹介した。また、7年1月にはコートジボワールで古川国土交通副大臣出席の下、「日・コートジボワール官民インフラ会議」を開催した。さらに、フランス土木連合会(FNTP)との意見交換会を通じて、アフリカにおけるインフラプロジェクトでの日仏間の「第三国連携」に関する情報共有と意見交換を行った。加えて、セネガル・コートジボワールの政府要人へのトップセールスを実施し「質の高いインフラ」の理解促進を図るとともに、両国との関係の維持・拡大に貢献した。
令和6年10月には、アフリカ開発銀行(AfDB)及びアフリカ7か国の水関係閣僚等幹部との技術会合を開催し、各国から水分野における課題が共有され、日本の技術を活用した具体的プロジェクトについて議論を深めていくことで合意した。
⑧中央アジア
令和6年10月、ウズベキスン共和国のクドラートフ投資産業貿易大臣による斉藤国土交通大臣への表敬が実施され、ダム等の両国間の協力について意見交換を行った。令和7年3月、日本で中央アジア地域5か国の実務者を対象とした「専門家会合(水分野)」を外務省とともに開催し、水分野に関する日本と中央アジア各国の協力(含むビジネス交流)の促進に向け、水資源管理に関する知見や技術等の意見交換を行った。