(2)戦後復興・経済発展期における国鉄


 終戦後から戦後復興に至るまでの過程において、国鉄は国内における旅客輸送及び貨物輸送の分野で中心的な役割を果たした。国鉄の輸送量は、旅客輸送人員については、22年度以降わずかに減少したが26年度には再び増加し、30年度には戦前の11年度と比較して3.7倍に増加している。
 一方、貨物輸送量についても、朝鮮戦争の特需景気による経済復興と発展によって著しく増加し、30年度は11年度と比較すると2.6倍に増加している。
 さらに、30年代から始まる我が国の高度経済成長期における国鉄の輸送状況は、30年度に912億人キロであった旅客輸送量が、45年度には1,900億人キロへと2.1倍に増加するとともに、貨物輸送量についても、同一期間に426億トンキロから624億トンキロへと1.5倍に増加するなど依然拡大傾向であった。
 このように、国鉄は戦後復興期から経済成長期における基幹的交通機関として大きな役割を果たしていた。
 一方、国有鉄道はこの時期大量の労働力の受け皿としての役割も果たした。終戦に伴い、20年度には約9.9万人、21年度には約6.5万人の復員者を雇用し、その結果、22年度においては職員数は61万人強に達した。