(ア) 現状と課題


 乗合バス事業は、都市における走行環境悪化に伴う速度の低下、地方における人口の減少やマイカーの普及等による利用者の減少等により、厳しい経営状況が続いている。
 しかしながら、バス交通は、鉄道等の幹線交通に対してフィーダー的な役割を果たすものであり、また、地方においては、これに加えて幹線交通の役割をも担うなど日常生活に不可欠な輸送機関となっている。このため、厳しい経営状況のもと、地域住民の足を確保するため、事業の効率化の支援や所要の補助を行っていく必要がある。
 また、近年、地域の住民の生活に密着したいわゆるコミュニティバスや、高齢者・障害者等の移動手段を確保するためのリフト付きバス等が普及してきており、地域の福祉行政との連携の下にこれらを積極的に推進していく必要がある。
 さらに、近年、バス事業においてもプリペイドカードによる運賃の支払いが普及してきており、また、一枚のカードで複数の事業者のバス運賃の支払いができるバス共通カードが導入され、利用者利便の向上が図られている。