(イ) 都市におけるバスの活性化、道路交通の円滑化



 大都市、地方中核都市の過密化する道路交通において、公共交通機関たるバスの利用を促進することは、道路空間の有効活用、道路交通の円滑化に資するものである。このため自家用車からの誘導を図り、バスの利用者利便を向上させるため、運輸省は中央レベルの「バス活性化連絡会」及び各都道府県ごとの「バス活性化委員会」を通じ、警察、道路管理者、地方公共団体、バス事業者等関係者と一体となって、バス専用レーンの設置、違法駐車の排除等の走行環境改善の実現に向けた諸施策を推進しているところである。
 また、バス輸送サービスの改善施策については、低床・広ドアバスの導入や停留所におけるバスシェルターの設置等を事業者に指導するとともに、需要の喚起及び利用者利便の向上を図る都市新バスシステムの整備、カードシステムの整備等について、バス活性化システム整備費補助制度による支援を行っている。
 さらに、都市における道路交通の円滑化を図るため、平成6年9月より警察庁、建設省とともに「渋滞対策協議会」を設置し、従来のハード面の対策に加え、パーク・アンド・ライドや相乗り・時差出勤など利用サイドに働きかける交通需要マネジメント(TDM)等のソフト面の対策を進めている。その具体的な取り組みを支援するため「総合渋滞対策支援モデル事業」を実施することとし、6年度には札幌市等10都市を指定し、7年度には、長岡市及び長崎市の2都市を追加指定し、支援を行っている。
 また、複数の交通機関の連携による効率的な輸送体系の確立のため、建設省と連携して7年9月より「マルチモーダル推進協議会」を設置し、駅内外における歩行環境の快適化や鉄道駅と高速バスの結節強化等の課題について検討を進めている。駅内外の歩行環境の快適化については、「駅内外歩行者快適化作戦第1回推進協議会」を8年8月に開催し、札幌駅、勝田台駅、豊橋駅、大曽根駅、小倉駅の5地区をモデル地区に指定し、駅内のエレベーター・エスカレーターの設置や、バスの総合案内システムの設置等に対する支援を行っている。