(4) 情報化への取り組み


 トラック業界においては、輸送の効率化、輸送サービスの向上等を推進する観点から、従来より、情報化に向けた取り組みが精力的に進められている。特に、荷物・車両情報を交換し、主に帰り荷の斡旋を行う「システムKIT」や「ローカルネットワークシステム」、トラック事業者と荷主が輸送計画などの電子データを交換する「物流EDI」等を活用することにより、車両の効率的運用等輸送の効率化が図られてきている。
 さらに、近年、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)に代表される位置情報システムや経路誘導、配車計画等に関連する情報通信ソフトなども登場してきており、情報関連機器の低価格化や機能向上等と相まって、トラック業界における高度情報化に向けた取り組みは急速に本格化しつつある。
 特に、今後のトラック事業における情報化は、トラック輸送の効率化を促進し、コスト削減を進め、経営の安定と高度化に資するという観点のみならず、輸送の安全性の向上、渋滞の緩和等交通環境の改善、エネルギー消費の節減等の社会的要請に応えるという観点からますます重要となると考えられる。
 運輸省としては、このような状況を踏まえ、トラック事業者の情報化への取り組みを支援する観点から、トラック事業における情報通信技術の活用方策、新しい情報通信システムのあり方等について、ユーザーとしてのトラック事業者のニーズを踏まえつつ、技術的な検証のみならず、事業効果、事業化に向けた具体的な課題等も含めて総合的かつ多面的な検討を進めることとしている。
 また、事業者負担の軽減と行政事務の効率化を図る等の観点から、各事業者データの保有と更新を各運輸局や陸運支局と運輸本省との間で自動的に行う全国的なシステムとして「貨物自動車運送事業者情報処理システム」が導入され、本年6月から稼働している。