(1) 国内線のダブル・トリプルトラック化、国際線の複数社化の推進


 現在、我が国においては、昭和61年6月及び平成3年6月の運輸政策審議会答申の趣旨に沿って、安全運航の確保を基本としつつ、航空会社間の競争促進を通じて利用者利便の向上を図るため、国内線については高需要路線を中心にダブル・トリプルトラック化(国内航空路線就航会社の2社化及び3社化)を、また、国際線については複数社化を推進している。ダブル・トリプルトラック化については、さらなる利用者利便の向上を図るため、4年にダブル・トリプルトラック化基準となる年間旅客数を引き下げたが、さらに8年の一層のダブル・トリプルトラック化基準引き下げにより、現在ダブルトラック化基準については年間旅客数20万人以上、トリプルトラック化基準については35万人以上に引き下げたところである。この基準に基づき、8年4月以降、札幌−仙台線、札幌−福岡線がトリプルトラック化され、福岡−宮崎線、大阪−函館線、札幌−新潟線及び札幌−広島線がダブルトラック化され、8年11月現在、トリプル化路線が22路線、ダブル化路線が29路線となっている〔2−9−10表〕

 

 また、同審議会答申に沿って、6年10月に大阪−ブリスベン線、大阪−シドニー線及び大阪−香港線、6年11月には東京−ブリンスベン線、6年12月には大阪−グアム線、7年7月には大阪−上海線、大阪一バンコク線、大阪一クアラルンプール線、7年10月以降は、大阪一ロンドン線等が複数社化されている〔2−9−11表〕

 

 国内航空においては、幅運賃制度の導入とあいまって、これら競争促進策の推進により、他社との競争による航空各社の効率的な経営促進が図られるものと期待され、また、国際航空においては、従来より各国他社との厳しい競争がなされてきたところだが、日本の航空会社間においてもさらに競争が促進されるものと期待される。
 なお、9年春の羽田空港の新C滑走路供用に関連して、同空港発着便数の増便を予定しているが、これに関して、同空港の発着枠の配分の考え方について、学識経験者等から成る会議において検討を行い、意見を承ることとしている。