2 社会資本整備の効果


(1) 幹線交通

 (ア) 幹線鉄道

 (イ) 国内航空

 (ウ) 高速バス

 高速道路整備の進展にあわせて、高速バスネットワークが充実強化され、所要時間の短縮等利用者の利便の向上が図られてきた。近年、高速道路整備の顕著な進捗がみられた九州地方における高速バスの状況についてみてみる。
 九州自動車道の全線開通や大分自動車道のほぼ全線にわたる開通により、福岡〜鹿児島、宮崎、大分等との間の高速バスの所要時間が短縮されるとともに、輸送人員も増加している〔1−1−28表〕。これは、所要時間の短縮のほか、快適性が向上したこと、運行回数が増加して利便性が高くなったことなどによるものと考えられる。
 これらの区間について、高速バスと鉄道・航空を比較してみると、〔1−1−29表〕のとおりである。これらの区間では、交通機関相互で競争が激化しており、鉄道のスピードアップ(例えば、福岡〜鹿児島間では10年前に比べて42分短縮)が図られているほか、高速バス及び鉄道の往復割引切符、航空の事前購入割引等それぞれ割安な運賃・料金が提供されている。

(2) 大都市圏交通

 東京圏をはじめとする大都市圏の鉄道の通勤・通学時の混雑は、近年の輸送力増強の努力等により緩和傾向にはあるものの、未だ厳しい状況にある。東京圏の大手民鉄5社は、複々線化等の抜本的な輸送力増強を図るため、特定都市鉄道整備積立金制度を活用して大規模な輸送力増強工事を進めている〔1−1−30図〕。その整備効果の一例として、複々線化が進捗している東武鉄道についてみてみる。
 東武鉄道伊勢崎線は、竹ノ塚〜越谷間の複々線化及び北千住駅の大規模改良工事が完成したことから、9年3月にダイヤ改正が行われた。この工事完成により、83本(平日、上り下り計)の列車の増発が行われ、最混雑時間における混雑率が183%から168%に改善された。また、朝ラッシュ時間帯の越谷〜北千住間の準急の所要時間が23分から19分に短縮されたほか、北千住駅でのホームの混雑が大幅に緩和されるなどサービスの改善が図られた。

(3) 国際交通

 (ア) 空港整備

 (イ) 港湾整備


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