3 造船技術の開発


 5年12月の運輸技術審議会答申「新時代を担う船舶技術開発のあり方について」を踏まえ、現在、次のような研究開発を推進している。

(1) メガフロート(超大型浮体式海洋構造物)の研究開発

 海洋空間の一層の有効利用により運輸関連施設等の社会資本の円滑な整備に資するとの観点から、超大型(数キロメートル規模、耐用年数100年)の浮体式海洋構造物の研究開発を推進してきており、現在、実用化に向けて実証実験が行われているほか、9年度は、メガフロートの空港への利用可能性に関する技術的な検討も行っている。

(2) スーパーマリンガスタービン(環境低負荷型舶用推進プラント)の研究開発

 船舶から排出されるNOx(窒素酸化物)等の大気汚染物質の排出低減を図るため、ガスタービンをベースとした環境にやさしい次世代舶用エンジンの研究開発を推進している。

(3) 環境保全技術の研究開発

 タンカーの衝突あるいは座礁事故等による油流出の問題を抜本的に解決するため、これまで以上に衝突や座礁事故に強い新形式タンカー構造等の研究開発及び船舶からの排気ガスを還元剤や触媒によって浄化するための研究開発を造船業基盤整備事業協会において実施している。

(4) 船舶技術研究所における研究開発

 船舶技術研究所では、近年の船舶の高速化、大型貨物船の海難事故等に対応し、海上交通の安全確保のため、船体の軽量化に伴う構造安全評価に関する研究、船体の寿命評価技術に関する研究、船舶の操縦性評価技術に関する研究等を行っている。


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