第1節 国内・国際経済の動向と運輸活動


我が国経済の動向

 平成9年度の我が国経済は、秋以降の金融機関の経営破綻による金融システムへの信頼低下等が消費者心理の悪化を招き、個人消費が低迷すると共に、長引く在庫調整で生産が低下し、設備投資も鈍化したことにより、結果として経済の自立回復はならず、景気は低迷状態となった。
 また、国際経済面でも、年度前半には景気拡大の続く米欧や、経済発展の続いていたアジア向け輸出による外需が景気の下支えをしていたものの、タイ、インドネシア等アジア地域で相次いだ経済・通貨危機の影響が色濃く現れ、年度後半には外需も景気押し上げ要因ではなくなった。
 実質経済成長率はGDP(国内総生産)で−0.7%(8年度は3.2%)となり、第一次石油危機後の昭和49年度以来23年ぶりで、かつ、戦後最大のマイナス成長となった。


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