1 旅客輸送の動向


(1) 国内輸送

(2) 国際輸送

(出国日本人数は6年連続過去最高を更新)

 9年(暦年)における出国日本人数は1,680万人と6年連続で過去最高を更新したものの、秋以降、対前年同月比で減少に転じるなど、伸び率では対前年比(以下同じ。)0.6%増(8年は9.1%増)とわずかな伸びにとどまった。その要因としては、実質賃金の低下に伴う消費の冷え込み、円安基調、香港行き旅行者数が大幅に減少したこと等が挙げられる〔2−1−8図〕。
 旅行先の国・地域のシェアは、アメリカ合衆国の32.0%(1.0ポイント増)を筆頭に韓国9.5%(0.9ポイント増)、中国6.2%(0.1ポイント増)、香港5.4%(3.6ポイント減)の順となった。旅行先を州別でみたときにアジア州への旅行者数が大幅に減少しているのは、香港行きの旅行客数の減少の影響である〔2−1−9図〕。

(訪日外客数も過去最高を記録)

 9年の訪日外客数は、韓国の通貨危機の影響から、年末に訪日韓国人数が大幅に減少したものの、円安を背景に、年間で422万人、対前年比9.9%増(8年は14.7%増)となり、初めて400万人を突破した。このうち、観光客は全体の56.7%(前年比1.6ポイント増)を占める239万人で、13.1%増(8年は22.1%増)と大幅な増加傾向が続いている。
 州別にみるとアジア州が252万人で全体の59.7%を占め、ついで観光客数が大幅に増加したヨーロッパ州が北アメリカ州を抜いて77万人で18.2%、北アメリカ州が73万人で17.3%の順となった。
 9年夏には東南アジアで通貨危機を契機とした政治・経済の混乱が起こったが、台湾及び香港からの訪日外客数が前年に引き続き好調を維持したため、アジア地域からの訪日外客数は増加した。国・地域別では、訪日外客総数が最も多いのは韓国で101万人、観光客数が最も多いのは台湾で73万人となっている〔2−1−10図〕。


(注) 阪神・淡路大震災の影響により、平成7年1月〜3月の自動車輸送統計の調査結果は営業用バス等以外について兵庫県分を除いた数値を公表しているが、本節においては、除かれた部分を含めて推計した全国値によっている。


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