3 情報化への取り組み


(1) 物流EDIの推進

 企業間のコンピューターをオンラインで結び、取引に関する情報を企業間で交換するEDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)は、事務処理の効率化、正確性の向上等のメリットがあり、また、顧客満足の向上、EDIを導入している荷主への対応等から、ニーズも高まっている。しかし、物流業界においては、EDI標準化が遅れたことや、物流EDI導入に要する費用等の問題があり、物流EDIは必ずしも望ましい水準にまで普及していない。
 このため運輸省では、政府及び民間の双方が参画した「物流EDIセンター」を中心とする国内標準メッセージ(JTRN)の改良・維持管理及び普及啓蒙活動、JTRNと国際標準(UN/EDIFACT)との整合性の確保についての検討や、インターネットEDI等新技術の検討等を通じ、物流EDIの普及を推進している。
 なお、これらの検討にあたっては、荷主・物流事業者等で構成され、国内物流EDIにおける標準規約の決定・普及を行う「物流EDI推進委員会」の場において、荷主業界との間の意見の調整が図られている。〔2−3−2表

(2) 港湾管理者・港長に係る港湾諸手続の情報化

 我が国の港湾諸手続は申請書類が煩雑なうえ、複数省庁に書類を持参しなければならないため、手続きの簡素化・EDI化が強く求められている。
 このため運輸省では、港湾管理者・港長に係る港湾諸手続について、運輸省港湾局、海上保安庁、港湾管理者が共同で、平成11年度に更改が予定されているSea -NACCSとの連携を図りつつ、EDI化するためのシステムを開発中である。

(3) トラック輸送の情報化

 近年の情報通信技術の革新に伴い、トラック事業の分野においても情報通信技術の導入が促進されている。トラック輸送の情報化は、輸送効率の向上の他、輸送の安全性向上、交通渋滞の緩和等交通問題の改善及び環境問題の改善にも効果があると期待されており、物流システムの高度化への取り組みの大きな柱の一つとなっている。
 このため運輸省では、トラック輸送の情報化に向けた各種施策に積極的に取り組んでおり、これまでにもトラック事業者が、「ネットワークKIT(Kyodo Information of Transport)」や「ローカルネットワークシステム」等のネットワークを利用し、相互に帰り荷斡旋等を行う求車求貨システムの普及、拡大を推進している。今後、これらの情報ネットワークの活用を図ることにより、積載率の向上、配車の合理化等、輸送の効率化についての効果が期待されている。
 また、高度道路交通システム(ITS)の活用によるトラック輸送の情報化についても、関係省庁と連携して調査研究を進めており、道路・気象情報、到着時刻予測情報、求車・求貨情報ネットワーク支援等の提供といったサービスを行うことにより物流効率化・高度化に資するシステム構築を図ることとし、トラック運行の効率化、安全性向上、道路利用の効率化等を目指している。〔2−3−3図


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