高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)とは、最先端の情報通信技術を用いて人と道路と車両とを一体のシステムとして構築し、道路交通の安全性、輸送効率等の向上等交通の円滑化による環境の保全等を実現しようとするものであり、欧米では既に様々なプロジェクトが検討されている。
我が国では、運輸省等関係5省庁で8年7月に「高度道路交通システム(ITS)推進に関する全体構想」を策定し、20のITS利用者サービス及びITSの9つの開発分野別の研究開発、展開に関する産学官の努力目標に関する今後20年間の長期ビジョンを提示した。
運輸省では、この全体構想を踏まえ、以下の項目を中心としてITSの推進を図っている。〔2−6−3図〕
エレクトロニクス技術等の新技術の活用により自動車を高知能化し、安全性を格段に高めた先進安全自動車(ASV)について、研究開発を行っている(P.287参照)。
道路運送事業(バス、タクシー、トラック)におけるITSの活用は、利用者、事業者、都市交通それぞれに大きなメリットをもたらすものと考えられ、その実用化が求められている。9年度においては、モデル地区において、路線運行状況等のバス運行情報サービスをインターネットを活用して提供するといった実証実験運行を実施し、情報化対応方策のとりまとめを行った。10年度は引き続き、学識経験者、事業者、メーカー等からなる委員会において、道路運送事業におけるITSを活用したサービス内容等の検討を行い、実用化に向けての計画策定を行っている。
(3) 新技術等に対応した運行管理による事故防止対策の推進
事業用自動車の事故防止対策の一層の強化に資するため、高度道路交通システムに関する各種プロジェクトのなかで技術開発が進められている各種センサー類やデジタル式運行記録計などの様々な要素技術を活用することにより、運行管理業務をより効率的かつ効果的なものとする次世代の運行管理システムのあり方について、9年度から調査・検討を行っている。