平成9年1月2日、隠岐諸島の北北東約106Kmの海上にて、ロシア船籍タンカー「ナホトカ号」の船体が2つに破断し、約6,240KlのC重油が流出し、また、同年7月2日には、東京湾内の横浜市本牧沖約6Kmの海上において、パナマ船籍タンカー「ダイヤモンドグレース号」が底触し、貨物タンクから約1,550Klの原油が流出するという2つの大規模油流出事故が発生した。
その他にも、9年に我が国周辺海域において海上保安庁が確認した海洋汚染の発生件数は713件あるが、全体の件数は、昭和48年に統計を取り始めて以来、最少となった〔2−10−1図〕。
海上保安庁及び気象庁が定期的に行っている実態調査によれば、我が国周辺海域等における海水及び海底堆積物中の油分、PCB、重金属等による汚染は全体的に低いレベルであり、経年変化は殆ど認められない。 また、海水及び海底土中の放射能汚染も認められていない。なお、9年に日本海と東京湾において、ナホトカ号等の油流出事故に伴う油分調査を行ったが、海中油分濃度等は通常認められるバックグランド濃度の範囲内であった。
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