|
2 交通関係社会資本の現状
(1) 交通関係社会資本の立ち遅れ
前述のとおり可動施設と基礎施設との不均衡が目立つてきており,とくに国鉄,道路,港湾などの部門にそれが著しいが,基礎施設の大部分を担つているのは交通関係社会資本であり,その充実が緊要の課題とされるに至つている。
このような交通関係社会資本の立ち遅れは,戦時中および戦後の投資不足によるものである。 〔I−4−23図〕は,交通関係公共投資の推移を示したものである。この図から明らかなとおり,国鉄・道路・港湾への公共投資は,昭和30年度以前において著しく低位にあつたが,30年度を境として飛躍的に拡大されてきている。しかし,長年にわたる投資不足の累積により,ストックとしての交通関係公共施設が不足している上にさらに輸送需要が年々著しく増加しているため, 〔I−4−24図〕にみられるように、国鉄・道路・港湾各資産の原単位は,公共投資の著しい増大にもかかわらず,30年度以降低下を続けている。このような交通資本の原単位の低下は,一見交通資本効率の上昇であり,ある程度までは好ましいこととして受けとられるかもしれないが,上述したような種々のあい路現象よりみれば,原単位すなわち換算率両キロ当り国鉄資産額,自動車1台当り道路資産額,港湾取扱貨物トン当り港湾資産額の低下はむしろ現存施設の不足を示すものとみるべきであろう。
また, 〔I−4−25図〕は交通関係社会資本を国民総生産,および民間固定資本と対比させてその推移をみたものであるが,30年度以降経済が高つつあることがわかる。
(2) 交通関係社会資本需給の地域的不均衡
さきに述べたとおり,輸送需給の不均衡は,地域的には主として輸送需要の集中している先進工業地域や大都市においてみられる。そこで基礎施設の大部分を占める交通関係社会資本の需給関係から,地域的不均衡の状況をみると, 〔I−4−26図〕に示すようになつている。
すなわち,国鉄,道路,港湾について地域別輸送需給関係をみると,京浜葉,阪神など輸送需要の集中する地域は,一般に資産額に比べて利用量が大きく,輸送需給のひつ迫が主としてこれらの地域において生じていることを裏書きしている。
|