2 運行管理,労務管理の改善
運輸事業や一般企業の運輸部門における労働力需給の不均衡は,交通事故発生の一因ともなつている。すなわち,交通従事者の業務は通常の業務と異り,その操作する輸送機関が高速をもつて走行し,直接自他の生命を脅かす交通事故発生の危険を含んでいるのであるが,労働力の不均衡は,交通従事者の不足あるいは,資質の低下となつて現われて,いきおい交通従事者に対する指揮監督や訓練の不徹底,はなはだしきは疲労時の勤務強制,交通従事者の過失等による交通事故発生を助長している。
これに対し,関係業者は労働条件,労働環境を整備し,適正な労働力の確保につとめ,また運行管理者の研修,地位の向上,運行管理の科学的研究につとめて,運行管理の改善を図るとともに,交通従事者に対して人命尊重の精神の徹底,資質向上のための指導訓練を強化する必要がある。
関係官庁も強力な監督と効果的な指導を積極的に行ない,交通事故防止につとめなければならない。
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