1 輸送量の推移


  貨物輸送量は,最近の経済発展による輸送需要の増加に伴ない急激な伸びを示しているが,なかでもトラックによる輸送量の伸びは他の輸送機関のそれを大幅に上まわつている。
  貨物自動車輸送量の推移を見ると 〔I−(II)−1表〕のとおり,トン数では,昭和38年度において35年度の1.68倍である19億4800万トンに達しており,トンキロでは2.02倍である420億トンキロに達している。このように貨物自動車輸送量はトン数,トンキロともに大きな伸びを示しているが,トンキロの伸びがトン数の伸びを上回つていることが分る。

  このように貨物自動車輸送量が急激に伸びた理由は,自動車輸送の特質,すなわち戸口から戸口へ迅速簡便かつ正確に輸送されるという性質が産業の高度化に伴う荷主の輸送に対する要望と一致したということにあると思われる。またトンキロの伸びがトン数の伸びを上回つていること,すなわち長距離化の傾向は道路整備の進展により助長されているといえる。
  貨物自動車輸送の長距離化の傾向は,1トン当り平均輸送距離が年々長くなつており,38年度においては35年度の1.2倍の21.6キロとなつていることからも容易に看取されよう。


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