1 日本造船業が世界に占める地位


  わが国造船業は,29年から30年にかけての造船ブーム時の輸出船を大量に受注した結果,31年の進水実績はイギリスをおさえて世界一となり,以降38年まで連続8年間世界の首位を占めている。 〔II−(IV)−10表〕にみるとおり,わが国が31年以降一貫して世界総進水量の20〜30%の進水実績をあげているのとは対照的にイギリス,西ドイツは31年当時は21%,15%の進水実績をあげ,それぞれ世界第2位,第3位を占めていたが,その進水比率は年々低下し,38年には両国とも各々11%程度までシェアは減少している。39年第一四半期においても,わが国はすでに84万総トンの船舶を進水せしめ,最近伸長の著しい2位スウェーデンの21万総トンを大きく引き離している。さらに今後の工事予定量からみて,39年もわが国は西欧造船国に大きく水をあけて進水量世界一を確保することになるであろう。これは,わが国が建造技術の改良はもちろんのこと超大型建造態勢の整備,乗組員数削減をねらった船舶の自動化の研究など技術開発の分野においても常に世界の造船業界をリードしていることが大いにあづかっているからである。
  また世界造船業のうちにおいてわが国の造船業がいかなる地位を占めているかについてみると,造船所別進水量では 〔II−(IV)−11表〕のとおりであり,37年,38年とも上位10造船所中,わが国の5造船所が名をつらねている。


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