3主機関の製造状況
外航船舶の主機関として使用される大型ディーゼル機関およびタービン機関は主として大手造船所で製造されている。この分野におけるわが国の生産量は,38年の実績によると,ディーゼル機関の全世界生産量404万馬力に対し74.1万馬力,タービン機関のそれは184万馬力に対し38.7万馬力を記録し,それぞれ世界第1位(タービン馬力は第2位〉を占めている。特にディーゼル機関については,35年以来引き続き確保した地位である。また企業別についてみれば各社で生産を分けあうので,1社当りの生産規模は欧米の一流会社に比べてなお小さい。しかし世界における上位10社のらちには,わが国メーカーがディーゼル機関で3社,タービン機関については4社がはいっている。
技術については,そのほとんどが欧米より輸入されたもので,国産技術により開発されたものは,ディーゼル機関,タービン機関ともにわずか1型式に過ぎず,その生産比重も比較的小さい。しかし船舶の大型化,高速化,自動化などに伴う技術革新,すなわちディーゼル機関の高出力化,高過給化,タービン機関の効率向上のための方法などの問題解決に対してはきわめて積極的に開発を行なって外国から導入した技術につぎつぎと改良を加え優れた主機関を製造している。
38年に引き続き,本年も内外船舶の大量の建造に伴う主機関の生産が期待されるので,タービン機関の若干の輸入を考えても,わが国の世界第1位の地位はゆるがないものと考えられる。特にディーゼル機関の生産が年間150万馬力の画期的ラインをこえることが予想される。
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