4 単体輸出の振興
造船関連工業の輸出は
(1)船舶にとう載されることによりなされる間接輸出
(2)製品単体としてなされる直接輸出
の二つに分かれる。
前者は,わが国の造船関連工業製品の全分野にわたって広く行なわれているが,後者の単体輸出は主として中小型ディーゼル機関,焼玉機関,電着機関,船外機プロペラに限られ,輸出実績も 〔II−(IV)−21表〕に示すとおり,逐年進展してきてはいるが,全生産高にしめる比率は,非常に小さい。その輸出先についてみても 〔II−(IV)−22表〕に示すようにほとんど東南アジアに限られている。
(1)内燃機関
(2)プロペラ
わが国造船関連工業製品の単体輸出が振わなかつた理由としては,つぎのようなことがあげられる。
(1)製造業者の大半が中小企業者で造船所との結びつきに専心し,輸出には手がまわりかねていたこと。
(2)十分な海外PRとアフターサービス体制の確立が必要であるが,これらの業務を行なうには企業個々としては負担にたえなかつたこと。
国際競争にうちかつには,専門生産体制の強化を図って,コスト低減を行なう必要があるので,そのためには,単体輸出の振興が急務となっている。そこで業界の一致した協力により世界にわたるPR網とアフターサービス体制の確立に努めることが,当面の最大課題である。このために政府は民間と協力して38年以来船外機などの海外展示をJETROと共同で行なつているほか,39年度からバンコックにJETROとの共同施設である日本小型舶用機関センターを設立,主として東南アジア地域に対する造船関連工業製品の現地PRとアフターサービスのあつ旋業務を開始することにしている。また国内においても39年6用日本小型舶用機械輸出振興会を設立し,全世界にわたる輸出振興を強力に推進することを計画している。
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