1 航空保安無線施設の整備


  我が国における航空路の設定はNDB(無指向性無線標識。ホーマーともいう)を主とし,これに一部のレンジ(指向性無線標識)を加えて形成されてきたが,急激に増加する航空交通量を考慮し,昭和33年度から,VOR(超短波全方向式無線標識)による航空路の近代化に着手し,木更津-大島間,大島-河和(愛知県知多郡)間,信太(大阪府和泉市)-岩国間,岩国-鹿児島間の関東以西鹿児島までの幹線航空路のVOR化を一応完了し,関東以北のVOR化を実施中である。将来はVORおよびポルタック(VORとタカン局を組合せ,方位と局までの距離情報を与える。)による航空路を主体とし,NDBを利用する航空路を従とすることが考えられる。航空路交通管制の中心部として東京都久留米町に航空交通管制本部があり,北海道および九州地区の航空路管制を行なう管制所が札幌及び福岡に置かれている。また,このほかふくそうする関東地区の管制の能率と安全性を確保するため,箱根に長距離用のレーダーARSR(航空路監視用レーダー)が設置されつつあり,東京,大阪,名古屋の主要空港および宮崎空港にはGCA(地上管制進入装置)又はASR(空港監視レーダー),PAR(精測進入レーダー)等のレーダーが着々整備されつつある。


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