1 旅客の利用交通機関


  昭和39年度における輸送機関別輸送量と輸送分担率の動きは 〔1−1−18表〕および 〔1−1−19図〕に示すとおりである。

  各輸送機関別にみると,まず国鉄については東海道新幹線の開業などにより,定期外輸送人員も,その1人平均乗車キロも増加し,また,通勤・通学客は依然として増大しているが,一方,オリンピック開催による客足の鈍化,定期1人平均乗車キロの減少等があつたため,全体としては人員,人キロともに38年度の対前年度伸び率を若干下回る伸びにとどまり,機関別分担率では低下の傾向にある。私鉄も輸送量では増加しているが,その伸び率は減少し,分担率は低下した。
  自動車輸送では,名神高速バスを初めとする都市間長距離バスの普及,観光用貸切バス利用者の増加,通勤・通学時のバス利用人口の増加などにより,バスが人員,人キロとも昨年度の伸びを大きく上回る伸びを示し,分担率も上昇し,また,乗用車も高い伸び率をつづけ,分担率を上昇させている。
  これまで,毎年40%前後の大きな伸びをつづけていた航空輸送量が,39年度に急にその伸び率を低下させたのは新幹線開通による影響が大きい。新幹線と競合する東京〜大阪間についてみると, 〔1−1−20図〕に示すとおり,9月までは例年どおりの増加をみせていたが,新幹線の開通した10月以降は昨年度実績を下回る結果となつた。

  一方,東海道線における電車特急の輸送実績は,新幹線の開業を境にして急激に増加している。これは新幹線の誘発および急行列車などから新幹線への転移のほか,航空機からの転移も相当あるものと考えられる。
  旅客船の輸送量は昨年度と比べてほとんど変動はみられなかつた。


表紙へ戻る 次へ進む