2 航空関係国際収支の動向
昭和39年度の航空関係国際収支(IMF方式)は 〔1−3−3表〕に示すとおり,受取り6,575万ドル,支払い1億1,263万ドルで差引4,688万ドルの赤字であつた。38年度の赤字は4,791万ドルであつたので,39年度においては赤字幅がやや縮小している。しかしながら,航空関係国際収支の受取りが,わが国国際航空路線網の拡充,輸送力の増強により年々増大しているにもかかわらず,一方で日本人の海外渡航の活発化等により支払いが年々増大する傾向にあるため,依然として赤字基調がつづいている。
航空関係国際収支の内訳けについてみると,旅客運賃は39年度において受取り2,899万ドル,支払5,822万ドルで差額2,923万ドルの赤字となつており,赤字幅も若干拡大した。しかしながら,35年度に比べると39年度では,受取りは2.25倍,支払いは1.96倍で受取りの伸びの方が高く,その結果赤字幅の増加率が低くなつており,依然として赤字基調であるなかでも赤字幅縮小の可能性がでてきている。
39年における出入国日本人数(東京国際空港において出入したもののみ)は22万1,119人で,海外渡航の活発化により35年に比べ2.7倍とかなりふえているが,このうち日航を利用した日本人数は3.6倍にのぼり,その結果日本人の自国機利用者の比率は35年の34.0%から39年には45.4%へと高まつている。しかし,なお半数以上の日本人が外国航空機を利用している現状であるので,さらに自国機利用を促進し,赤字解消を図る必要がある。
その他の航空関係国際収支をみると,貨物運賃が39年度において受取り572万ドル,支払い1,739万ドルで差引1,167万ドルの赤字,郵便物運賃が受取り151万ドル,支払い290万ドル,差引139万ドルの赤字,その他項目が受取り2,954万ドル,支払い3,412万ドル,差引459万ドルの赤字と,いずれも赤字となつている。
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