3 海上輸送施設


  入港船舶量は,近年の貿易拡大等に伴い増大する傾向にあり,昭和39年には前年より総トン数で9.3%,隻数で3.4%の増加をみせ,また,港湾取扱貨物量も対前年比14%増という大きな伸びを示している。
  このように急増する入港船舶,港湾取扱貨物をさばく港湾の基本施設に対して旧港湾整備5カ年計画(昭和36〜40年度)の4年目にあたつた39年度には,567億円(外国貿易港湾184億円,産業港湾232億円,内国貿易港湾132億円,作業船整備等19億円〉の投資が行なわれた。内国貿易港湾への投資が対前年度比25%増と最大の伸びをみせている。計画全体の進ちよく率は78.9%となり,なかでも外国貿易港湾は94.6%の高い進ちよく率を示しているが,計画の進ちよくにもかかわらず,入港船舶の急増により,滞船現象は解消されるにいたつていない。また,上屋荷役機械等の港湾機能施設整備は,39年度に107億円,対前年度比5%増の投資額をもつて進められた。
  一方,船舶についてみると,貿易量の増大に対応して外航船腹の大幅な拡充が進められるとともに,内航船舶についても近代化の動きが活発であつた。
  外航船腹については本章第5節で詳述するが20次(39年度)計画造船が初めて100万総トンを突破し,120万9,000総トンという19次計画造船の2倍以上の建造量となり,方,39年度の自己資金船も着工ベースで前年度の約2倍,23万5,000総トンにのぼつている。
  内航船舶についてみると,船舶の近代化と船腹過剰の解消を目的として,特定船舶整備公団との共有方式による専用船等の建造が進められ,39年度には25億4,800万円の財政資金が投じられ,36隻4万6,344総トンの建造が行なわれた。


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