3 民営鉄道の旅客輸送
昭和39年度の旅客輸送実績は 〔I−(I)−9表〕のとおりであり,輸送人員では8,899百万人で対前年度比104.1%,人キロでは77,567百万人キロで対前年度比105.0%と,一応順調な増加を示した。これを定期,定期外の輸送人員でみると,定期は5,406百万人で対前年度比105.4%であり,定期外は3,492百万人と対前年度比102.0%となつており,定期外の伸びは毎年低下している。定期,定期外の構成比率は60.7,39.3で定期外の比率は40%台を割り,運賃の割引率の高い定期旅客が増加していく傾向がうかがえる。
![]()
輸送人員の増加傾向を定期,定期外にわけて事業規模別にみると大手私鉄は定期107.4%,定期外105.8%と前年度並の伸び率を示し順調に伸びているが,中小私鉄は定期については,伸び率は前年度(107%)を下廻り,103.6%にとどまり,定期外はバスへの転移等により,98.8%と輸送実績も減少した。また公営は定期,定期外とも輸送実績が減少し,伸び率はそれぞれ97.5%,95.9%となつているが,これは路面電車が,近代都市交通機関としてはすでに過去のものとなりつつあり,地下鉄等の高速鉄道及びバスに転移したこと並びに39年度中に52キロの営業路線の廃止が行なわれたことによるものである。
|