イ パレット輸送方式
国鉄においては,昭和34年,貨物輸送近代化施策の一環としてコンテナ輸送方式とともにパレット輸送方式を推進することとした。以降,漸次普及し,39年11月末で国鉄における承認枚数は367,581枚,利用会社数,95社パレット専用貨車(ワム80,000形式)1,985両と増備され,輸送量も35年当初輸送トン数262千トンに比較し,39年度1,108千トンと4.2倍となつている。しかし現行制度では,パレットの重量は貨物の重量に加算せず,また,パレットを回送する場合はこれを無賃とする等の特典が設けられているものの,パレットは荷主自身の負担において保有,運用するたてまえとなつているため,その回転率はきわめて低く,荷主に対する経済的効果は十分なものではない。
今後パレット輸送を推進し,荷主に対する経済効果を十分あらしめるためには,専用貨車の増備はもちろんのこと,荷主,通運事業者等と協力してパレット・プール制,パレットの種類および規格,パレット方式に関する運賃および料金制度についてさらに検討すべきであろう。
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