1 道路


(1) 一般公共道路

  第4次道路整備5カ年計画の初年度にあたる昭和39年度の一般公共道路事業予算は,約5,425億円の巨額に達し,38年度に比べ1.2倍になつた。同予算の道路種別及び事業種別の内訳は 〔I−(II)−11表〕のとおりであるが,昭和38年度末の一般公共道路の総実延長の1.3%(12,617km)である元一級国道に対し,39年度においては全予算の26.5%(1,435億円)を計上しており、道路整備の重点が幹線道路網整備に置かれていることを示している。

  39年度の道路事業費5,425億円で整備された道路事業量は,未集計のため不明である。そこで38年度について事業費と事業量を 〔I−(II)−11表〕 〔I−(II)−12表〕とによつて比較すると,4,440億円の事業費を投じたことにより,国道,都道府県道,市町村通合わせて改良済延長が8,438km,舗装延長が10,122km増加し,これにより改良済比率が1.0%,舗装率が1.0%向上した。

(2) 有料道路

  有料道路を大別すると道路整備特別措置法にもとづくものと道路運送法による一般自動車道とに分けられる。前者はさらに,(イ)高速自動車国道,(ロ)首部高速道路および阪神高速道路,(ハ)いわゆる一般有料道路に分類される。昭和40年3月末における有料道路の整備状況は 〔I−(II)−13表〕のとおりである。名神高速道路(小牧市-西宮市間)は,39年9月一宮市-西宮市間が開通し,ほぼ全線の工事を完了した。一方,東名高速道路(東京都-小牧市間),中央道(東京都-富士吉田市間)の建設も進めれており,数年内に日本の中枢部である京浜-中京-近畿地方を連結する高速自動車道網が完成する予定である。
  首都高速道路,阪神高速道路は大都市内の自動車専用道路である。首都高速道路は39年8月に,オリンピック関連道路約30km(全体計画は約84km)が開通し,阪神高速道路は39年度に3.2km(全体計画は約52km)開通した。
  一般有料道路は日本道路公団が建設管理するものが61路線,延長543km,そのうち39年度中に開通したものは6路線,77kmである。地方公共団体が管理する有料道路は16路線,165km,そのうち,39年度中に開通したものは10路線,94kmである。

  以上の道路整備特別措置法にもとづく有料道路は,道路公団又は地方公共団体が道路整備財源確保のため行なうものであり,建設資金の償還後は無料開放されるものであるが,道路運送法による一般自動車道は主として民間人が企業として建設管理する有料道路である。39年度末の路線数は42,延長は293km,工事中のものは21路線,延長153kmに達している。なお,39年度においては,近年の観光ブームの影響を受けて,16路線,延長115kmと例年になく多くの路線が供用を開始した。これらのなかには,蔵王ハイライン,伊勢志摩スカイラン,伊吹山ドライブウェイ等観光開発および地域開発に重要な役割を果たすものが少なくない。

(3) 新道路整備5カ年計画

  昭和40年1月に閣議決定をみた新道路整備5カ年計画は,道路交通需要の増大に即応し,欧米先進国なみの近代的道路体系の確立を目標に,その第一段階として緊急を要するものについて昭和39年度以降5カ年間に総額4兆1千億円を道路整備に投資するものである。この計画における種類ごとの道路の整備目標は 〔I−(II)−14表〕のとおりであるが,高速自動車国道については,名神高速道路中央高速道路及び東名高速道路の建設をそれぞれ完了するほか,その他の高速自動車国道網についても調査を促進し,緊急を要する区間の建設に着手する予定である。


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