3 営業用自動車の重大事故発生状況


  自動車の重大事故は 〔I−(II)−41表〕のように前年に比し件数,損害も増加している。

  さらに,これらの推移について見ると 〔I−(II)−42図〕の如く全自動車事故同様急増の傾向を見せている。

  次に,これを事業の種類別に見ると, 〔I−(II)−43図〕のように件数ではトラック関係の業態が最も多くなつているが,これを台数当りの発生率でみるとバスの事故発生率が最も高く1,000台当り32.9件,次いで,ハイタクの27.9件,トラックの15.9件の順となつている。

  また,事故の種類では 〔I−(II)−44図〕のとおり衝突及び死傷(通行人等当該自動車に乗車していない者を死傷させた事故)の2種類の事故で大多数を占めている。このうち大半は運転者側の不注意によつて起つたものであるが,20%前後は歩行者側の不注意によつて起つたものである。
  これらの事故の原因について見ると, 〔I−(II)−45図〕のように,半数以上の事故が直接的には当該車両の乗務員の不注意によつて惹起されたものである。なお車両の構造的欠陥によつて起つた事故は1.1%と僅少である。
  しかし,自動車の安全運行に最も重要な制動装置,かじ取装置の欠陥による事故が未だ車両欠陥事故の半数弱の43%を占めており,今後,これらの装置に対する点検,整備等の一層の充実をはかる必要がある。
  以上のような事故の原因の背後には,人と車の混合交通を行つている道路が多いこと,車両数の増加に道路容量が対応していないこと等の道路整備のたち遅れ,ガードレール,踏切施設等道路諸設備の不備及び運行管理上の欠陥等をあげることができる。


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