3 乗務員に対する保安対策の強化


(1) 運行管理者制度の充実

  自動車運送事業の運行に関するすべての業務を統一的に処理し,かつ,その責任の明確化のため一定の資格要件を有する者を運行管理者として営業所ごとに選任して届出を行なわせている。昭和40年4月1日現在約25,000人の運行管理者がダイヤの編成、点呼の実施,乗務員の指導監督,事故原因の究明,再発防止の対策等管理業務に従事している。
  このように運行管理者は安全輸送の確保のため重大な任務を負つているので,その管理能力の向上をはかるため各陸運局において毎年定期的に関係法令・事故防止対策等につき研修を実施している。

(2) 適正な運行の確保

  輸送需要,車両,乗務員,経路等の状況を総合的に検討して運行の基準を定めるわけであるが,業態に応じ,路線バスには詳細な運転方法等を指示した運転基準図の作成及び携行を,貸切バスについては経路の事前調査を,路線トラックは乗務基準による運転の指導を,タクシーには1日の乗務距離を定める等の手段により運行の安全の確保を図つている。さらに,運行中の管理の徹底を期するため乗合バス(距離100粁以上のもの)貸切バス及び路線トラックに運行記録計をそなえることを義務づけ,科学的運行管理方式により,運行管理,労務管理及び適正な車両の使用等についての活用を図つている。

(3) 運転者の質的向上

  バス,ハイタク等の旅客運送事業用自動車の運転者に対しては,第2種免許制度のほか,道路運送法によつて指定自動車教習所において教習を受けることなど一定の要件を要求し,その質的向上を図つている。
  なお,指定教習所は昭和40年4月末現在全国で100箇所指定されている。


表紙へ戻る 次へ進む