3 港湾運送用施設


  港湾運送用施設としては,上屋,野積場,水面貯木場,はしけ,引船,荷役

 機械等があるが,毎年3月末現在の保有状況は 〔II−(III)−19表〕および 〔II−(III)−20表〕のとおりである。

  荷さばき場のうちでは,野積場,水面貯木場はそれぞれ前年より増加しているが,上屋は逆に減少している。
  はしけおよび引船については,36年の船混みを契機として,特定船舶整備公団との共有方式による整備が37年度から実施されており,一方岸壁等の整備により経岸荷役率が向上してきたため,運送需要に対応したはしけ,引船が確保されているが,質的には老朽化が目立ち,船令20年以上(船令不詳のものを含む。)のはしけが全体の50%近くを占めており,引船についても老朽化による曳航能力の低下が生じている。このため,特定船舶整備公団方式による整備は,40年度からは老朽はしけおよび引船の代替建造を目的として行なわれることとなり,5カ年計画によつて代替を完遂することとなつた。
  一方,今後の港湾運送の近代化に欠くことの出来ない荷役機械についてみると,大型荷役機械,移動式クレーン,フォークリフト等の増加が目立ち,他方,固定式クレーン,可搬式クレーン等の能率の悪い荷役機械は年々減少してきているのが特徴的である。しかしながら,荷役の機械化はまだまだ立ち遅れた状態にあり,ことに船内部門ではほとんど機械化が進んでおらず,沿岸部門においても人力に多くを依存している有様である。
  荷役機械の整備については,従来日本開発銀行,中小企業金融公庫等からの融資が行なわれていたが,39年度からは特定船舶整備公団との共有方式による整備が行なわれることとなり,また中小企業設備近代化資金も活用されることとなつた。今後これらの諸制度を活用,強化してさらに整備を進めて行くことが望まれる。


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