1　わが国外航海運の活動

　　40年年央における世界の商船(ロイド統計による100総トン以上の鋼船)船腹量は4万1,865隻,1億6,039万総トンに達し,前年同期より,1,006隻,739万総トン,4.8%増加した。とくに油送船の増加はめざましく,448万総トン,8.9%増加して5,505万総トンとなったが,油送船以外の商船の増加は291万総トン,2.8%の増加にとどまっている。
　　世界の係船量は,39年以来減少を続け,英国海運会議所の調べによれば,41年4月1日現在,貨物船22万総トン,油送船25万総トンとなってそれぞれ前年同期より14万総トン,12万総トンの減少となっている。
　　40年のわが国の貿易額についてみると,通関輸出は84億5,200万ドルと対前年比26.7%の大幅な増加を示したが,通関輸入は81億6,900万ドルであり,対前年比2.9%の増加にとどまった。これを貿易量についてみると,輸出2,338万トン,輸入1億9,938万トンで,それぞれ対前年比32.5%および14.7%の増加となっている。
　　船舶輸出を除くわが国の主な輸出品は,鉄鋼,金属製品,綿織物衣類,自動車,魚介類などであり,加工製品が92%を占めている。一方輸入品の主なものは,石油,鉄鉱石,木材,綿花,羊毛,非鉄金属,石炭などであり,原料が39%を占めている。
　　わが国の貿易額を地域別にみると, 〔１−２−５表〕に示すように輸出入とも北アメリカおよびアジアが中心となっている。

　　このような貿易量の増加を反映して,わが国の外航海運(外国用船を含む。)の40年の輸送量は対前年比18.1%増の1億2,782万トンとなった。このうち邦船による輸送量は輸出880万トン,輸入8,688万トン,三国間425万トン合計9,993万トンである。これを39年と比較すると輸出輸送は1.2%の減少となったが,輸入輸送および三国間輸送はそれぞれ12.4%および78.9%の増加となり,合計では12.8%の増加となった。この結果日本船舶の獲得した運賃収入は,輸出輸送2億3,990万ドル,輸入輸送5億3,200万ドル,三国間輸送6,160万ドル,合計8億3,350万ドルとなり,対前年比6.2%の増加となった。
　　40年のわが国の貿易量に占める邦船輸送量の比率,すなわち邦船積取比率は,輸出については,輸出量の増大にもかかわらず,定期船の整備がこれに追いつかなかったこと,40年11月からの海運争議などにより,邦船輸送量が伸びなやんだため,前年の50.5%から37.6%へと著しく悪化した。輸入については,輸入量の増加とともに油送船を中心とする船腹の拡充が行なわれたため,前年の44.5%から43.6%へとわずかな減少にとどまった。

　　40年3月末におけるわが国の外航商船々腹量は合計1,032万総トンとなり年間増加量は201万総トンであった。このうち貨物船は610万総トンであり,95万総トン増加し,油送船は422万総トンであり106万総トン増加した。このように,近年における油送船の増加には著しいものがある。