3 設備投資の動向
景気調整下にあつても,民間企業設備投資動向は39年中は依然として増勢をつづけたが,40年にいたり 〔1−4−5表〕に示すように39年の実績を1.9%下まわる結果となり不況の影響があらわれてきた。これに対し運輸事業(国鉄を含まない。)においては1,113事業者合計4,303億円で対前年比111.3%と堅実な伸びを示した。国鉄については,40年度は第3次期計画の初年度であるため,3,231億円で前年度の2,528億円に比べ27.8%の増加をみた。この傾向は第3次長期計画のもとで今後も当分つづくものと思われる。これを業種別にみると,伸び率が上昇をつづけているのは海運業のみであつて民営鉄道業,バス事業,ハイヤー・タクシー業,自動車ターミナル事業等はのび率が鈍化もしくは低滞気味,トラック事業,ホテル業にあつてはその設備投資額は過去の実績を大幅に下回るものとなつている。
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昭和40年度における投資動向の停滞を反映して,資金調達実績からみると内部資金の占める比率がわずかながら増加した。 〔1−4−6表〕しかしながら,外部資金によるもののうち株式によるものが,40年度の証券市場の不振,増資規制の影響で減少し,いわゆる自己資金(内部資金と増資)による調達は,39年の47.8%から46.2%へと低下した。その他民間金融機関による調達ウエイトの低下と政府金融機関による調達ウェイトの増加が注目されよう。
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なお,国鉄については,40年度の資金調達内訳は,内部資金が15.8%,資金運用部借入金11.3%,政府引受債4.1%,公募債32.4%,利用,縁故,特別債が36.4%である。
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