3 自動車の騒音


  自動車の大型化,高速化と交通量の増大に伴い,自動車の騒音は重要な問題とたつている。
  現在生産されている自動車の新車時における走行騒音は,おおむね,70〜80ホーンであり,現行基準の85ホーン(自動車が平たんな舗装路面を時速35キロメートルで走行する場合に走向方向に直角に車両中心線から左側へ7メートル離れた位置における騒音)からはかなり下廻つている。しかしながら,公害防止の立場から,自動車の発する騒音も極力小さくしなければならない。
  自動車の騒音のうち最も大きいものはエンジンの排気音であるが,大型トラックやバスについては,現行基準の測定法によると,エンジン排気音以外のタイヤの摩擦音,車体の振動音等だけで75〜76ホーン程度に達するので,これら個々の音源の画期的な改良が行なわれない限り音量を現行基準の85ホーンから大幅に引き下げることは,技術的に未だ困難な状態にある。従つてこれらの問題に対処するため,39年度から「排気系の解析」40年度から「タイヤ騒音の解析」が進められている。


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