3 運賃制度


  国鉄運賃改定のための「国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案」は第51回通常国会に提案され,41年3月4日成立し,同月5日から施行された。
  同法改正の趣旨は,第3次長期計画遂行に必要な資金の一部を運賃収入によつてまかなうためのものであり,この改正により,旅客貨物平均で,おおむね25%の増収が確保されることどなり,41年度についてみると,約1,630億円の増収が期待される。
  改定の内容は,いわゆる公共負担の一部是正と運賃体系の近代化に留意し,旅客運賃にあつては,現行の遠距離逓減制を距離比例制に近づける方向で,二地帯制の境界を400キロメートルとし,1キロメートル当りの賃率を第一地帯においては2円75銭を3円65銭に,第二地帯においては1円35銭を1円80銭とし,また,通勤定期旅客運賃は,法定割引限度額をはるかにこえる大きな割引率となつている点にかんがみ,その平均割引率(1ヵ月)を7割5分6厘から6割7分6厘に是正した。
  貨物運賃については,最近の輸送構造の変化に即応して,負担力主義運賃の建前にたついわゆる従価等級制度から,平均的な運送費用に対応した単一賃率を採用する方向で四つの等級にまとめ等級間賃率の上下の幅を縮めるとともに賃率をおおむね17%引きあげた。


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