1 国鉄事故の現状
昭和40年度の運転事故の総件数(新幹線を除く)は,1万8,266件で前年度に比べ約2.4%の減少を示し,また列車100万キロ当り件数は31件で前年度に比べ5.5%の減少を示した。
これを原因別にみると 〔I−(I)−32図〕に示すように部内原因25%,部外原因63%,災害12%となる。さらに部内原因のうち鉄道従業員の責任による事故は,210件で前年度に比べ18件上回つたが,列車衝突,列車脱線等の列車事故は98件で,前年度と1司数であつた。この列車事故には踏切関係20件で(20%),災害19件(19%),列車妨害11件(11%)が含まれている。
40年度の踏切事故件数は2,145件で,前年度に比べて15%の減少をみた。運転事故による死傷者数は1,706人で前年度に比べ死者において51人(7%)負傷239人(24%)減少となつているが,このうち踏切事故による死傷者数は93%を占めており,国鉄の運転事故のうち踏切事故がいかに重大な位置を占めているかを物語つている。
東海道新幹線における運転事故件数は,251件で列車100万キロ当り件数では16.5件と在来線の約半分の事故発生率となつている。東海道新幹線においては,いわゆる初期故障事故は見られたくなつたが,降雪期において機器に雪が付着したための車両故障,降雨期における災害による線路故障等が発生したための運転休止の事故件数が目立つている。
新幹線の運転事故による死傷者数は10人であるが,乗客の死者はなかった。また列車衝突,列車脱線等の列車事故は皆無であつた。
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