2 低開発諸国の動向
39年春の国連貿易開発会議(UNCTAD)を契機として,低開発諸国の同盟批判は,にわかに活発化した。40年11月のUNCTAD海運委員会の発足により,海運をめぐる南北問題協議の場が整備されたが,海上運賃研究や荷主協議会への政府参加を要求する低開発国側と,海運自由の立場に立つ先進国側との対立は厳しいものがある。
また低開発諸国は,自国商船隊の育成を図るため,国旗差別政策を強化する傾向にあり,現在世界で国旗差別を採つている国は,約40ヵ国に達している。最近,先進海運国の間で国旗差別対抗措置を検討する動きが高まつてきている。
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