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1 定期船
昭和40年の定期航路は,前年に引き続く輸出を中心とする荷動きの増大,海運市況の堅調によつて,おおむね好調な業況を示した。
航海数は,40年から本年にかけて邦船の協調体制に基づく努力により,欧州,ニューヨーク航路などの中心的な航路で相当数の増配が行なわれ,41年4月現在の遠洋における定期航路の航海数は月間99.7航海と,40年3月現在の93.2航海に比較し,6.5航海,7%増加した。
41年3月末における中核会社6杜の定期運航量は366隻276万総トンで,40年3月末に比し20万総トン,7.8%の増加となつている。その内訳は,邦船328隻244万総トン(88.4%)外国用船38隻32万総トン(11.6%)である。
最近では定期船の必要量が増加しているにもかかわらず,定期船の整備がこれに追随していないことなどのため,外国用船が著しく増加しているが,外国用船は,国際収支上もマイナスなので,その邦船への代替が望まれている。
わが国を中心とする定期航路について,定期船隊の性能を外国船と比較す看と,平均速力は14.7ノット(外船16.5ノット)平均船令10.7年(同12.1年)となつており,平均速力では劣るが平均船令では戦後の新造船が多いため外国船に比べ優位に立つている。
船令別にみると計画造船の初期に建造された船舶が多く,船令11年から15年の船舶は全体の36.1%(外船は17.6%)と約3分の1を占めている。
輸送量は,北米を中心とする輸出の著増にもかかわらず,輸出597万トン(前年617万トン),輸入828方トン(前年855万トン)と前年に比べそれぞれ3.3%,3.2%の減少となつた。外国用船による輸送量を含めても輸出658万トン,輸入908万トンと前年に対しわずかそれぞれ3.3%,3.1%の増加にとどまつた。このため邦船の輸出の積取比率(外国用船を除く。)は,39年度の50.5%から著しく低下し,37.6%と28年以来12年ぶりに40%を割るに至つた。これは,昨年11月から3ヵ月にわたつて海運争議が行なわれたこと,輸出の大宗貨物である鋼材の約4分の3が外船に流れていることなどの理由によるものである。
しかし,方定期航路運賃の引き上げ,好運賃貨物の増加などにより,運賃収入は中核会社6杜で1,575億円と前年に比べ9.0%の増加となり,海運業の再建整備の進展に寄与した。この運賃収入は中核会社6杜の外航関係総運賃収入2,600億円の60.6%にあたつている。
この結果,損益状況も前年に引き続き好調で,中核会社6社についてみると,償却前で194億円の黒字と前年度の214億円には及ばなかつたが,普通償却実施後では79億円の黒字とほぼ前年度(80億円)なみの収益をあげている。
最近の定期航路では海運争議を除き,とくに大きな混乱はなく航路の安定が保たれているが,41年に入つてコンテナ専用船による米国マトソン社の太平洋航路進出や同国シーランド社の太平洋航路進出を契機として,コンテナ専用船による輸送問題が大きくクローズアップされてきている。
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